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北海道・旭川発「木工クラフト」、海外売上が最大82倍に急伸!中東・欧米など世界から注文殺到

2026/05/18

北海道旭川市の木工クラフトメーカー、株式会社ササキ工芸(佐々木雄二郎代表取締役)の海外販売が急拡大している。同社の2025年度の海外売上は、越境ECなどを通じて前年比25倍に達し、バーレーンの投資銀行からの大口受注を含めると前年比82倍という驚異的な伸びを記録した。

デザイン一新が奏功、世界6か国以上から受注

ササキ工芸は1976年創業の老舗木工メーカー。2023年3月、プロダクトデザイナーの石橋忠人氏を起用し、従来のデザインを全面刷新した新ブランド『SASAKI オフィシャルコレクション』を立ち上げた。

この戦略が功を奏し、2024年まで限定的だった海外販売が2025年度に急加速。韓国、カナダ、ニュージーランド、アメリカ、スイス、サウジアラビアなど6か国以上の越境ECから注文が寄せられている。主な製品は、旭川の家具製作技術を活かしたミラー、靴べら、花器などのインテリアクラフトだ。

バーレーンから「リバーシ」100台の一括受注も

特筆すべきは、バーレーンの投資銀行から木製ボードゲーム『Wooden Reversi(木製リバーシ)』を100台一括受注したことだ。この受注により、全体の海外売上は前年比82倍にまで膨らんだ。

同製品を導入したホテルでは、外国人宿泊客から「どこで購入できるのか」という問い合わせが相次いでおり、宿泊施設を起点とした新たな販路拡大の兆しも見えているという。

背景に「メイド・イン・ジャパン」への需要増

日本の木製家具・クラフトの輸出は、業界全体でも右肩上がりだ。林野庁の統計によると、木製家具の輸出額は2021年の54億円から2025年には約89億円に達する見込みで、年平均成長率は約11%と堅調に推移している。背景には「メイド・イン・ジャパン」の品質とデザイン性に対する世界的な評価の高まりがある。

ササキ工芸は、JETRO(日本貿易振興機構)の海外販路支援事業「TAKUMI NEXT」なども活用しながら、積極的に地方発クラフトの魅力を発信してきた。

2030年に向けて「海外売上比率を3倍」へ

旭川市は1990年から「国際家具デザインコンペティション旭川(IFDA)」を開催し、2019年にはユネスコのデザイン都市にも認定された「家具の街」として知られる。一方で、国内市場の縮小や職人の高齢化といった課題も抱えている。

ササキ工芸は、こうした状況下で海外市場を成長の柱に据える。同社は「2030年までに海外売上比率を現在の約3倍規模まで拡大することを目指す」としており、旭川の木工文化とデザインの魅力を世界に伝えることで、地域経済の活性化にも寄与したい考えだ。