マテリアルブランド「KAKERA」が、福島県・双葉町のリトリート型ホテル「FUTATABI FUTABA FUKUSHIMA」のエントランスに設置されたアートオブジェの制作を担当。

震災によって生じた「大堀相馬焼」や「九谷焼」のかけらを使用し、互いに支え合いながら立ち上がる複数の柱を構成した。

「FUTATABI FUTABA FUKUSHIMA」は地域最大規模のバンケット&カンファレンスルームを有するリトリート型ホテル。

国産木材の温もりに包まれるスパエリアや2,000冊以上の豊かな蔵書が並ぶ別棟のライブラリー、地元の旬な恵みを堪能できるレストラン、元来この地に自生する植物群が彩る庭園などを有し、心静かに自分と向き合う時間をゲストに提供する。

震災によって生じた陶片や土地の記憶を用い、互いに支え合いながら立ち上がる複数の柱として構成した作品。異なる形を持つ断片は、町に生きる人々や、過去と未来、分断と再生の関係性を象徴している。人と人、土地と記憶、その「あいだ」に存在する目には見えないつながりをかたちにした。

オブジェには、福島県浪江町発祥で、300年以上続く「大堀相馬焼」の陶器片を活用。2011年の東日本大震災によって避難を余儀なくされた窯元のうち、「松永窯」と「春山窯」2つの窯元の協力を得て、現地から回収したかけらを使用している。

「松永窯」

「春山窯」
加えて、能登半島地震で生じた石川県の伝統工芸品である「九谷焼」の陶磁器片や白い和紙などを組み合わせて、互いに支え合って生きる「人々の姿」を表現した作品に。壊れたものや震災がなければ生まれなかったものを活用し、新たな価値としてよみがえらせることで、双葉町の未来を照らす希望への願いが込められた。

「日本は古くから、地震という大地の揺れとともに生きてきた国です。抗うことも、誰かを責めることもできない自然の力を前に、人は自分よりも大きな存在を感じながら生きてきました。あらゆるものに神が宿るという感覚も、そうした環境の中で育まれてきた精神性の一つだといえます。地震は、日常の風景や価値観を一変させる出来事です。一方で、それまで当たり前だったものに問いが生まれ、新たな関係や文化が立ち上がる契機にもなりえます。私たちは、その一つ一つの出来事と丁寧に向き合い、そこから生まれるつながりや可能性をかたちにし、未来へと紡いでいく表現を続けていきたいと考えています」(奥山純一・株式会社CACL代表)
双葉町の未来を照らす希望への願いが込められたアートオブジェは、繊細でありながら力強さを感じる仕上がり。遠目にも目を引く作品ですが、FUTATABI FUTABA FUKUSHIMAに訪れた際にはぜひ近くでも「大堀相馬焼」や「九谷焼」のかけら活かした姿を見てみてくださいね。