国際芸術祭「森の芸術祭 晴れの国・岡山」2027を2027年9月18日(土)から11月23日(火・祝) の67日間、岡山県北部を舞台に開催。第1弾参加アーティストや会場情報などが発表されました。

第2回目の開催となる今回は、「プロトピア―前に進む森―」をコンセプトに掲げ、アーティストだけでなく、多様な分野の専門家と協働しながら展開していく。また、その取り組みの一つとして「食」をテーマに据え、岡山県北部ならではの豊かな地域資源の魅力を発信する。

「森に耳を澄ませ、その感性とチューニングすることで身のまわりの自然や文化を再発見しようとした初回の芸術祭の考えを一歩進め、今回は「前に進む森」という新しい視点を掲げます。それは、今日よりほんの少し良くなっていく明日へ向かって、ゆっくりと変化し続ける森の姿です。このイメージの背景には、ケヴィン・ケリー(※)の提唱する「プロトピア」という考えがあります。それは、理想郷(ユートピア)でも悲観的な未来(ディストピア)でもなく、日々の小さな改善の積み重ねによって、現実の中でよりよい社会を育てていこうとする視点です。
本芸術祭では、このプロトピアの思想と、社会的共通資本の考え方を重ね合わせます。それは、芸術祭を起点として、テクノロジー、農業、福祉、教育など、さまざまな分野の人々が出会い、協働する場をひらきます。そして、自然やインフラ、制度といった、私たちが共有する大切な基盤を守りながら、次の世代へとつないでゆきます。
「森の芸術祭 晴れの国・岡山」2027は、岡山県北部を舞台に、地域に眠る資源や文化をあらためて見つめ直し、小さな実践を積み重ねていきます。それは作品をつくることにとどまらず、人と自然、文化と暮らしの関係をゆるやかに編み直していく試みでもあります。こうしたプロセスを通じて、訪れる人にも、そこに暮らす人にも、新しい視点や誇りが生まれ、地域の内側から未来へ向かう力が育まれていくことを願っています」(「森の芸術祭 晴れの国・岡山」2027 アートディレクター・長谷川 祐子)
第1回 「森の芸術祭 晴れの国・岡山」に引き続き参加する4名のアーティストに加え、日本で初めて作品展示を行うジュリアナ・ドス・サントス、イザベル・シカット(TOQA)など、多様なアーティストが世界中から岡山県北部に集まり、アート作品を展開します。
ジュリアナ・ドス・サントス[1987年生、ブラジル]

Photo: Nti Uirá Courtesy of the artist.

Installation view of Temporã at Pinacoteca do Estado de São Paulo, Brazil. Photo: Erika Mayumi Courtesy of the artist and Galeria Luisa Strina.
イザベル・シカット(TOQA) [1993年生、フィリピン]

Installation view of Iike the sun, i love the sky (เสน่หานิรันดร์), 2025, Morning Market Room Courtesy of the artist
Sputniko! [日本]

《幸せの四葉のクローバーを探すドローン》2023年
ルイス・ゼルビーニ [1959年生、ブラジル]

Photo: Eduardo Ortega

Os Comedores de Terra [The Earth Eaters] Photo: Sebastiano Di Persano
前回参加のアーティストから4名の継続参加が決定。「プロトピア」のコンセプトのもと、新たな作品を展開予定です。
レアンドロ・エルリッヒ [1973年生、アルゼンチン]

Photo: Ignacio Coló

《まっさかさまの自然》森の芸術祭 岡山、2024年 撮影:顧 剣亨
蜷川実花 with EiM [日本]

蜷川実花 with EiM《深淵に宿る、彼岸の夢》 森の芸術祭 岡山、2024年 撮影:蜷川実花
森山未來 [1984年生、日本]

©Takeshi Miyamoto

《さんぶたろう祭り》森の芸術祭 岡山、2024年 撮影:井上嘉和
リクリット・ティラヴァニ [1961年生、タイ]

Photo: Pauline Assathinay

《無題 2024 (水を求めて森を探す)》 森の芸術祭 岡山2024年 撮影:顧 剣亨
7市町(津山市、高梁市、新見市、真庭市、鏡野町、勝央町、奈義町)にアート作品を設置します。初めて会場となる新見美術館(新見市)や、みずの郷奥津湖(鏡野町)など、5市町から9会場を発表します。
【津山市】
・作州民芸館(さくしゅうみんげいかん)
・城西浪漫館 (じょうさいろまんかん)
・津山まなびの鉄道館(つやままなびのてつどうかん)
【新見市】
・新見美術館(にいみびじゅつかん)[新]
・井倉洞(いくらどう)
・満奇洞 (まきどう)
【真庭市】
・GREENable HIRUZEN(ぐりーなぶる ひるぜん)
【鏡野町】
・みずの郷奥津湖(みずのさとおくつこ)[新]
【奈義町】
・奈義町現代美術館 (なぎちょうげんだいびじゅつかん)
新見美術館(にいみびじゅつかん)

小高い丘の上に位置し、新見市街を一望できる美術館。日本画を中心に多彩なジ ャンルの特別展や企画展を開催し、静かな環境で芸術鑑賞に浸ることができる。
みずの郷奥津湖(みずのさとおくつこ)

苫田ダムにより形成された広大な奥津湖は、春の桜や秋の紅葉など四季折々の自然 美を映し出す景勝地。周辺には地元グルメを堪能できる食事処や特産品の販売所も 併設されており、湖畔ではサップなどのアクティビティも楽しめる。
アドバイザーたちと地域の資源や文化を改めて見つめながら、次の世代へとつなぐ、自然やインフラ、制度といった社会的共通資本について考えていく。
エマヌエーレ・コッチャ Emanuele Coccia

哲学者。フランス国立社会科学高等研究院准教授。
コロンビア大学、ハーバード大学、ペンシルベニア大学、ニューヨーク大学のほか、東京、ブエノスアイレス、デュッセルドルフの各都市の大学など、数多くの国際的研究機関で客員教授・客員研究員を務めている。その研究は、哲学、生態学、現代美術、建築、視覚理論を横断し、生命、形態、居住といったテーマにおける惑星規模での新たな理解を提案している。
カルティエ現代美術財団(パリ)と上海当代芸術博物館(上海)でそれぞれ2019年と2021年に開催された展覧会「Nous les Arbres」(我ら樹木)に企画協力。コッチャは上海当代芸術博物館では学術委員[AH3] も務めている。また、ITSアルカデミー(トリエステ)でオリヴィエ・サイヤールと共同で企画した2つの展覧会(「The Many Lives of a Garment」(2024)と「Borderless」(2025))では、哲学的・社会的な側面からファッションの変容を取り上げた。エコロジーや共生、動きの詩学をテーマに金沢21世紀美術館で開催された展覧会「すべてのものとダンスを踊って─共感のエコロジー」では、長谷川祐子とともに共同キュレーターを務めた。また、上海当代芸術博物館の科学委員を務める。2024年には、哲学、美術、建築を橋渡しする理論研究およびキュレーターとしての活動が認められ、モンドリアン賞を受賞している。
宮田裕章 Hiroaki Miyata
慶應義塾大学医学部教授。
データサイエンスなどの科学を駆使して社会変革に挑戦し、現実をより良くするための貢献を軸に研究活動を行う。専門医 制度と連携し5000病院が参加する National Clinical Database、LINEと厚労省の新型コロナ全国調査など、医学領域以外も含む様々な実践に取り組む。それと同時に、アカデミアだけでなく、行政や経済団体、NPO、企業など様々なステークホルダーと連携して、新しい社会ビジョンを描く。宮田が共創する社会ビジョンの1つは、いのちを響き合わせて多様な社会を創り、その世界を共に体験する中で一人ひとりが輝くという“共鳴する社会”である。「森の芸術祭 晴れの国・岡山」2024には蜷川実花 with EiMのメンバーとして参加した。
岸本和明(奈義町現代美術館館長)
太田三郎(現代美術作家)
会期:2027年9月18日(土)―同11月23日(火・祝)(67日間)
開催エリア:12市町村(津山市、高梁市、新見市、真庭市、美作市、新庄村、鏡野町、勝央町、奈義町、西粟倉村、久米南町、美咲町)
アート作品設置市町村:津山市、高梁市、新見市、真庭市、鏡野町、勝央町、奈義町
年間を通して温暖で雨が少ない岡山県なら、アート巡りの予定も立てやすい! 芸術祭はもちろん、素敵なアートスポットや建築、グルメなど県内には魅力的なスポットが盛りだくさんだから、ぜひ岡山を満喫する旅を計画してみてくださいね。