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地域の魅力を発信する「自治体アンテナショップ」の最新動向。2024年度の売り上げ1位は?

2025/03/25

日本全国の自治体が地域の魅力発信のために設置しているアンテナショップ。その最新状況について、(一財)地域活性化センターが2024年11月21日に2024年度版自治体アンテナショップ実態調査報告を公表しました。(※調査基準日2024 年4 月1 日)

2023年度は「北海道どさんこプラザ有楽町店」の売上が4年ぶりに10億円を超え、沖縄県のアンテナショップである「銀座わしたショップ本店」、「ひろしまブランドショップTAU」の売上も7億円を超えました。

2023年度の年間売上額が前年度よりも増加したのは、調査対象店舗61店のうち7割を超える44店舗。増加した背景には、2023年5月に新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類に移行し、飲食店でのアルコール類の提供再開、時短営業の解除により、客足が戻ってきたことによる経済の活発化があります。また、アンテナショップにおいては、円安による国産品のニーズ、拡大やインバウンド需要の増大も期待されるところです。

売上額が大きかったアンテナショップ&人気商品BEST3

「北海道どさんこプラザ 有楽町店」

アンテナショップが集まる東京・有楽町の交通会館一階に所在し、北海道内で製造・加工された水産加工品や農畜産品、人気のスイーツ等を常時1200点以上取り扱う店舗。揚げたてのコロッケ、ソフトクリームを楽しめるイートインがあるほか、週替わりのイベントでは様々な商品の試食販売会などが実施されています。

清月『赤いサイロ』

北海道産の牛乳、小麦、練乳、卵を使ったチーズケーキ。しっとりとした食感と優しい口どけ、牛乳とチーズのコクがぎゅっと詰まった味わいが楽しめます。

ロイズ『ロイズ ポテトチップチョコレート』(オリジナル)

意外な組み合わせながらも、たっぷりかけられた上質なチョコレートとポテトチップスの塩味の絶妙なバランスがたまらない大ヒット商品。食べ始めたら止められないとの声も多く、リピーターを数多く獲得しています。

YOSHIMI『Oh!焼きとうきび』

大通公園名物の「とうきびワゴン」で売られている焼きとうもろこしをおかきで再現したら、というアイデアから生まれたYOSHIMI『Oh!焼きとうきび』。香ばしく甘いドライコーンがたっぷりと練り込まれ、サクサクの食感と焦がし醤油の香ばしさが口いっぱいに広がります。

「ひろしまブランドショップTAU」

レモンや牡蠣を使った広島県の名産品や、熊野筆を始めとする工芸品の販売、観光情報を提供するコーナーなどを設置。地上三階から地下一階までの各フロアに、地元食材を使用した食事が楽しめるレストランを有し、本場広島の味を幅広く味わうことができます。広島東洋カープとサンフレッチェ広島のグッズを扱うコーナーもあり、銀座で広島の魅力を存分に堪能することができます。

はっさく屋『はっさく大福』

因島発祥の八朔の実を白餡とみかん餅で包んだ大福です。八朔の酸味と白餡の甘味の絶妙なバランス、それを包むみかん餅との食感がもっちりジューシーで、多くのファンを獲得しています。

にしき堂『生もみじ』

もっちりとした食感が話題を呼び、2009年に発売して以降定番のお菓子となりました。米粉ともち粉、卵液などを独自の配合で混ぜ合わせている生地は、モッチモチの生食感で一度食べるとまた食べたくなる美味しさです。

三宅水産『うまいでがんす』

呉市民のソウルフードの三宅水産『うまいでがんす』は、すり身に唐辛子や玉ねぎが練り込まれた揚げかまぼこ。独特の辛みが人気のポイントで、呉市民を中心に県民に長年愛される「ふるさとの味」です。

「銀座わしたショップ本店」

有楽町の交通会館一階にあり、大きなシーサーが出迎えてくれる入口を抜けて店内に入ると、ラフテーや泡盛、紅芋タルト等のほか、かりゆしウェアや沖縄産の野菜、やちむん等の名産品が所狭しと並んでいます。ソーキそばや揚げたてのサーターアンダギー、オリオン生ビールなどをイートインスペースで楽しむこともできます。

サン食品『ソーキそば2食入り』

豚の軟骨部をよく煮込んだソーキが乗った沖縄生まれのソーキそば。麺、だし、具材がセットになっているので、手軽に沖縄の味が楽しめます。

御菓子御殿『紅いもタルト』

タルト生地と、美しい紫色の紅芋ペーストがうまく調和した沖縄御菓子御殿の銘菓で、甘すぎず上品な仕上がりの人気商品です。

沖縄物産公社の『発酵ウコン』

沖縄県を代表する健康食品のウコン。独自の発酵技術によってウコン独特の苦味と香りを改善し、飲みやすい粒タイプにした沖縄物産公社の『発酵ウコン』。原料には沖縄産の秋ウコンを100%使用しています。

ごみ削減などSDGsの達成に向けた取り組みが増加

前年度調査と比較して、食品ロスの抑制、プラスチックごみの削減、ペーパーレス化などのSDGs の達成に向けた取組を強化した店舗が増加しています。また、アンテナショップ内に設置されたコワーキングスペースの利用料を大きく伸ばした店舗もありました。2025年1月28日には宮城県のアンテナショップが池袋店から茅場町に移転オープンするなど、変化を続けるアンテナショップ。ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

2024年度自治体アンテナショップ実態調査報告の詳細はこちら
https://www.jcrd.jp/support/0bdc0fff8c4bb7342ec4a0bb7154661efb012705.pdf

構成/櫻井あゆみ(一般財団法人 地域活性化センター)