
2誌あわせて発行部数92万部を幼稚園・保育園を通じて保護者へ届けている子育て情報誌『あんふぁん』と『ぎゅって』。
さらに、園の先生向けの『園ふぁん with 新 幼児と保育』も含め、3媒体を展開しているのがこどもりびんぐだ。
紙とWebを組み合わせた発信力に加え、小学館グループの連携により、企業や行政の施策を“保育と子育ての現場にきちんと届ける”実績を積み重ねている。
今回話を聞いたのは、同社に2024年10月に新設された「パブリックビジネス推進室」の永田由希枝さん。自治体広報に特化した専門チームを率いる立場から、グループのシナジー効果について語ってもらった。
2001年創刊の『あんふぁん』(約62万部)、2017年創刊の『ぎゅって』(約30万部)。
この2誌は幼稚園・保育園に通う子どもを持つ家庭に向けた紙媒体で、「日本で一番読まれている子育て情報誌」である。
こどもりびんぐは2020年に小学館グループ入りし、その後も保育士向けフリーマガジン『園ふぁん with 新 幼児と保育』や公式Webサイト『&あんふぁん』を立ち上げるなど、展開の幅を広げている。

両誌は全国約8千の幼稚園・保育園に配布され、先生が直接保護者に渡したり園バッグにいれてくれることで、確実に家庭に届く仕組みになっている。
永田さん(以下、永田)「これができるのは、『あんふぁん』創刊から20年以上にわたって信頼関係を築いてきた幼稚園・保育園との強固なネットワークがあるからこそです」
その関係を支えるのが、定期的に園を巡回して園の先生から直接意見を聞くスタッフだ。
永田「巡回するスタッフからの報告をもとに、園が必要とする情報とクライアントの要望をマッチングしています。こうして必要な場に必要な情報が届く仕組みを整えているんです。園を通じて家庭で実際に商品を試してもらうサンプリングや、クライアントの商品やサービスを先生や園児に体験してもらう”幼稚園イベント“なども展開しています」
2024年10月には、企業案件だけでなく自治体案件を扱う「パブリックビジネス推進室」を新設した。
永田「行政広報のニーズを熟知した専任チームを置くことで、自治体が抱える課題にきめ細かく対応できる体制を整えました。その最初の事例が、東京都から受託した『とうきょう すくわくプログラム』です」
このプログラムは、乳幼児の好奇心や探究心を伸ばすことを目的とした、幼稚園・保育園共通の取り組み。各園がテーマを選び、園児の興味や関心に合わせて探究活動を実践するため、園への認知を広めるのが望ましかった。
ここで力を発揮したのが小学館グループの総合力だった。
こどもりびんぐが発行するフリーマガジン『園ふぁん with 新 幼児と保育』は、園現場の先生方に直接届けられる媒体。一方、小学館が運営する保育プラットフォーム『HoiClue(ほいくる)』は、オンライン上で幅広い保育者に活用されている。
この2つを組み合わせることで、「手元に届く紙媒体」と「日常的にアクセスできるWeb媒体」の両輪で認知を広げ、園の先生方に確実に届けることができた。
『HoiClue(ほいくる)』ではすでに記事を公開済みで、『園ふぁん with 新 幼児と保育』については現在制作を進めている。

永田「小学館グループの信頼性と、こどもりびんぐの幼稚園と保育園のネットワークを組み合わせることで、“確実に届く安心感”をお届けできればと思います」
グループならではの強みを掛け合わせることで、行政施策をより確実に、そして持続的に支える可能性が今後さらに広がっていく。
文/安藤政弘 撮影/横田紋子(小学館 写真室)