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年間通しての“くだもの王国”の座を目指して
 岡山県が次に手がけた『晴苺(はれいちご)』の挑戦

2026/03/06

■降水量1mm未満“晴れの国おかやま”が冬に届けるのは“ハレの日”にぴったりなブランドイチゴ

1月から2月に旬を迎える果物といえばイチゴ。この時期は糖分を溜め込み、濃厚な甘みを楽しむことができる。

東京・港区新橋にある岡山県アンテナショップ『とっとり・おかやま新橋館』では、岡山県の希少なイチゴ『晴苺(はれいちご)』を使った『特製晴苺パフェ』のお披露目記者発表会が開催された。同所2階にあるビストロ・カフェ『ももてなし家』で、『晴苺』を使ったパフェやケーキなどが、数量限定で2月23日まで提供される(なくなり次第終了)。

岡山県の希少なブランドイチゴ『晴苺(はれいちご)』

『晴苺』は、白桃やブドウなどの高品質のフルーツが育ち“くだもの王国”として知られる岡山県が、ブランド化に力を入れたイチゴ。晴れの日が多く、降水量1mm未満の日が全国で第1位の岡山県は、瀬戸内海に面しているため温暖で穏やかな気候が特長。首都圏やアジアを中心とした海外に高品質な桃やブドウを届けているが、「1年を通して岡山県を“くだもの王国”にしたい!」という思いから、美しい色・形や濃厚な甘さと香りに優れる県産イチゴの統一ブランドを2019年に『晴苺』と命名した。大粒で果皮だけでなく果肉まで赤いのが特徴だ。出荷時期は12月~5月の約6か月間で、生産している農家が少ないこともあり、首都圏への流通量が限られる。今回のイベントでは、首都圏の人により広く知ってもらう目的で『特製晴苺パフェ』を披露した。

『特製晴苺パフェ』

岡山県総合政策局公聴広報課課長の戸川真由美さんは『晴苺』の由来について、「この名前には2つの思いを込めています」と語る。

岡山県総合政策局公聴広報課課長の戸川真由美さん

「1つは、『晴れの国おかやま』の太陽をたくさん浴びて栽培されたイチゴをイメージできること。そして岡山県産であることが消費者に分かること。2つ目は、『くだもの王国おかやま』の栽培する高品質な果物は、“ハレの日”の大切な人への贈り物、そして自分へのご褒美にも最適であること。こういった思いで『晴苺』と名付けました」と説明した。

■県内の生産者は約70人「生産者を増やして、作る量をしっかり増やしていくことが大事」

岡山県農林水産部農産課・園芸振興班統括参事の髙桑利明さんは『晴苺』ブランド化の取り組みについて、「ブドウや桃は夏から秋にかけたもので、すでに皆さんによく知っていただいています。冬はカキなどの水産物はあるのですが、冬の岡山も楽しんでいただきたいとの思いで、“冬の果物といえばイチゴ”ということから、『頑張ってブランド化してみよう』と始めました。夏の岡山はブドウや桃があるけど、『冬もイチゴがあるんだよ』と皆さんに知っていただいて、少しでも遊びに来ていただきたいなと思っています」と語った。

岡山県農林水産部農産課・園芸振興班統括参事の髙桑利明さん

濃厚な甘みと豊潤な香りがあり、みずみずしい『晴苺』。開発について髙桑さんは、「やっぱり品質のいいものを作ってほしいので、始めた頃も今も、生産者の方に集まっていただいて研修会をしています」と説明。「例えば県の研究所で、いかに量をたくさん採るか、いかに美味しいものを作るかという研究もして、その結果を生産者の方にフィードバックしています。生産者の技術を高めていってもらうことは、今も継続しています」と明かした。

県では『晴苺』の作り手を増やすための取り組みも行っている。 「『晴苺』を作りたいという方に向けた補助事業も行っています。イチゴはハウスや暖房機など、作るのにすごくお金がかかるので、そのハードルを少しでも下げるために、県として支援させていただいています。またマニュアルに基づいた技術指導も併せて現場でしていただいています。イチゴに限らず桃でもブドウでも、農業をしたい方に向けた受け入れ体制があり、『やりたい』という方に対して支援体制を整えています」

『晴苺』の作り手を増やすための取り組みも実施

現在、岡山県内の『晴苺』の作り手は約70人。東京をはじめ県以外での認知度を上げていくために、今後もPR活動を続けていくという。

「『晴苺』は現在都内では、この『とっとり・おかやま新橋館』や、スーパーでもいくつか取り扱っていただいています。スーパーでは、化粧箱ではなく普通のパックに入った形で出荷しています。今回、ウエストランドさんやりーちむさんを筆頭にPRをさせていただいて、たくさんの方に集まっていただきました。こうしたPR活動を引き続きやっていくことと、一番は生産者の方を増やして、作る量をしっかり増やしていくことが大事だなと思っています」

2025年10月に『おかやま晴れの国大使』となった岡山県出身のお笑いコンビ・ウエストランドの井口浩之さんと河本太さん、岡山県出身のインフルエンサーで『ベビタピトーキョー』のスタッフ・りーちむさん

桃やブドウという、既にブランド化した“強み”がある中で、新たな価値や魅力作りに取り組む岡山県。「冬の岡山にも遊びに来てほしい」という言葉通り、旬の果物は地域へ足を運ぶ強力なフックとなる。この冬アンテナショップで味わえる一粒の甘さは、岡山県が描く「通年型・果物産地」としての未来の形そのものだ。