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【京都】観客もキャストに!DAZZLE×蜷川実花 with EiM のイマーシブ公演《花宵の大茶会》開催中

2026/04/09

北野天満宮を舞台に鮮烈な色彩と時空が交錯

京都市上京区の北野天満宮を舞台に、蜷川実花 with EiMが手がける「KYOTO NIPPON FESTIVAL 2026 -時をこえ、華ひらく庭-」が5月24日(日)まで開催中。

「KYOTO NIPPON FESTIVAL」は、2016年に誕生し、日本の「美」と「文化」を京都から世界に発信してきたフェスティバル。

2026年に10周年を迎えるにあたり、アーティスト蜷川実花と大阪・関西万博テーマ事業プロデューサーもつとめた宮田裕章をはじめ、各分野のスペシャリストが集うクリエイティブチームEiMが集結。

3月20日に開幕したイマーシブ公演に先駆けて2月1日から開催しているアートインスタレーションには、約7万人が来場し、一足早い春の訪れを楽しむ方々で賑わいました。

クリエイティブチームEiMとは

写真家・映画監督現代美術家の蜷川実花と、科学者・エグゼクティブディレクターの宮田裕章、プロダクションデザイナーのENZO、クリエイティブディレクターの桑名功、照明監督の上野甲子朗、音楽プロデューザー 剣持学人、テクニカルアートディレクターの上田晋也、ディレクターの澤田雅之、映像ディレクターのZUMI、コミュニケーションデザイナー 吉柳さおり、映像ディレクターの名児耶洋らで結成されたクリエイティブチーム。プロジェクトごとに多様なチームを編成しながら活動する。

北野天満宮の持つ歴史と重なる《花宵の大茶会》

北野天満宮は、学問の神として知られる菅原道真公をお祀りする全国天満宮の総本社であり、平安時代より人々の祈りを受け止めてきた聖地。

また、天正十五年(1587年)に豊臣秀吉公が催した史上最大級の茶会として知られる「北野大茶湯」の舞台となり、さらに江戸初期には、歌舞伎の祖・出雲阿国がこの地で踊りを披露した歴史があります。

祈りと祝祭、信仰と芸能が重なり合ってきたこの空間そのものが、本作における重要な舞台装置となります。

本作の物語は、豊臣秀吉が北野天満宮で開いた「北野大茶湯」をモチーフにしており、この茶会は、大名・町衆・茶人など、さまざまな立場の人々が同じ茶の場を共有した、日本文化史を象徴する祝祭空間でした。《花宵の大茶会》では「もし北野大茶湯に幻の二日目があったなら」という着想から物語が生まれています。

物語には、菅原道真をはじめ、豊臣秀吉・紫式部・土方歳三など、北野天満宮にゆかりのある歴史上の人物が登場します。しかし、彼らは単なる歴史人物ではなく、嫉妬・後悔・孤独・傲慢など、人間の内面にある感情の「影」として描かれます。社会の中では表に出しにくい「影」の感情を、身分差のない開かれた茶会の空間の中で解き放ち、やがて菅原道真が左遷の際に詠んだ「東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春を忘るな」という、梅に祈りを託す和歌へと重なっていきます。

来場者は鑑賞者ではなく、茶会に招かれた客人で、視線が合う、茶碗を差し出されるなど演者と直接関わる瞬間が生まれ、観客の行動によって場の空気が変わります。誰を追うか、どこに立つかによって体験が変わり、同じ公演でも体験する物語が変わります。観客は遠くから眺めるのではなく、登場人物として物語に入り込むことで、誰しもが持っている「影」の感情を、自分自身のものとして追体験することができます。

歴史ある北野天満宮での蜷川実花 with EiMの鮮烈な色彩の世界観

本作の空間演出を手がけるのは、写真家・映画監督・現代美術家の蜷川実花率いるクリエイティブチーム EiM。蜷川実花 with EiMはこれまで、美術館や展示空間でアートインスタレーションなどの「体験するアート」を展開しています。

今回は、“空間を体験”するだけではなく、観客が登場人物の1人として入り込む“物語の体験”へと、さらに没入度が増しています。空間演出を行うだけではなく、宮田裕章がコンセプトメイキング、蜷川実花と共に脚本からDAZZLEと開発し、演技のディレクションまで担当するなど、EiMとしても表現をさらに拡張する新しい挑戦となっています。

パーフォーマンスが繰り広げられる空間は、登場人物の感情を象徴する空間から構成されており、花や光による空間演出で、蜷川実花の鮮烈な色彩で映画の世界に入り込んだような体験を創り出します。

演劇のために作られた舞台ではなく、北野天満宮の歴史ある建築の中で行うことで、北野天満宮の歴史が持つ、木造建築の空気感、その場所にしかない要素が作品の一部となり、観客は単なる舞台鑑賞ではなく歴史の時間の中に入り込む体験が味わえます。

ダンスカンパニーDAZZLEによるパフォーマンス

本作はセリフのないノンバーバル公演で、日本のイマ―シブシアターを牽引してきたダンスカンパニー DAZZLE が、身体表現のみによって感情や物語を描きます。観客は、演者の呼吸・身体のエネルギー・空間の緊張感を至近距離で感じる、フィジカルな没入体験を味わうことになります。

身体ごと物語に“入り込む”、回遊型体験。イマーシブ公演とは?

イマ―シブ公演またはイマーシブシアターとは、観客が客席から舞台を観るのではなく、物語の空間の中に入り込む演劇形式。2000年代にロンドンで生まれ、2010年代にニューヨークを中心に世界的に広がりました。

①観客が空間を自由に歩き回る(回遊型)

②どの人物を追うかで体験が変わる

③同じ公演でも観客ごとに違う物語になる

という特徴があり、従来の演劇が「観る体験」であるのに対し、イマーシブシアターは「物語の中に入り込む体験」です。近年、アートやエンターテインメントの世界では“理解する”こと以上に身体を通して“体験すること”の価値が重視されるようになっており、 「身体ごと、物語に入り込む」イマーシブシアターはその象徴的な表現として注目されています。

蜷川実花(写真家・映画監督・現代美術家)

写真を中心として、映画、映像、空間インスタレーションも多く手掛ける。クリエイティブチーム「EiM(エイム)」の一員としても活動中。

「ずっとやってみたかったイマーシブ公演という長年の夢が、やっと叶った瞬間でもある。瞬き一つまで見てとれる距離での感情の繋がりを重視し、細部まで仕草を考え抜いた。初めての挑戦で大変なこともたくさんあったが、その大変さこそが本当に楽しいことだと改めて実感しながら、ここまで歩んできた。『映画の中に入っていただけるような感覚」も味わっていただける体験になっていると思う」

宮田裕章(科学者・エグゼクティブディレクター)

慶應義塾大学医学部教授。データサイエンスを基盤に、医療・政策・社会設計など多様な領域を横断しながら、人と社会の未来を描く科学者として活動。科学の知性と感性の表現をつなぐ実践を通じて、多様な領域と共創を行っている。クリエイティブチームEternity in a Moment(EiM)ではエグゼクティブディレクターとして活動。

「菅原道真公の祈りが1000年を超えて紡がれてきた、この北野天満宮の地だからできた物語。さらに全ての分野が120点でコラボレーションする、通常は成り立たないくらいの欲張りな座組みになっている。デジタル化や生成AIが普及した現代だからこそ、AIにはない『五感で感じること』の価値を実感できる公演」

飯塚浩一郎(DAZZLE)

慶應義塾大学卒業後、株式会社博報堂を経て、株式会社DAZZLE設立。コピーライター・クリエイティブディレクター・ダンサー・振付家として、広告・映像・舞台・ファッションなど様々な分野で活動。

「蜷川実花 with EiMとのコラボレーションにより、建物そのものが作品空間となり、観客と出演者の双方がその中で“生きる”構造になっている。目に入る景色の美しさやアートの持つ意味が演技にも影響を与え、相乗効果によって多様な見え方を生み出している。さらに、目が合う、時には触れられる、息遣いや衣擦れの音まで伝わるなど、従来の演劇や映画では味わえない体験の中で物語が展開される。セリフを用いない『ノンバーバル』表現により、言葉に頼らないからこそ、言語化しきれない感情や人と人との関係性が、より豊かに立ち上がる」

北野天満宮

菅原道真公(菅公)を御祭神としておまつりする全国約1万2000社の天満宮・天神社の総本社です。古来「北野の天神さま」と親しまれ、入試合格・学業成就・文化芸能・災難厄除祈願のお社として幅広く信仰されています。

KYOTO NIPPON FESTIVAL 2026 -時をこえ、華ひらく庭-

会期
インスタレーション《光と花の庭》《残照》

2026年2月1日(日)〜 5月24日(日)※休苑日有

イマーシブシアター《花宵の大茶会》

2026年3月20日(金祝)〜 5月24日(日) ※休演日有
(公演時間:約70分予定)

チケット
インスタレーション《光と花の庭》《残照》
大人¥3,000、小人¥1,500

インスタレーションチケット+イマーシブシアター鑑賞チケット
平日:大人¥16,000、小人¥11,000
土日祝日:大人¥17,000、小人¥12,000

※小人料金は小学生(6歳~12歳)の方が対象
※中学生以上の方は大人料金
※障がい者手帳をお持ちの方は、会場(北野天満宮)にて本人及び介護者1名適用の割引チケットが購入可能)
※未就学児のお子様は無料

開苑時間
09:00開場/20:30閉門 (20:00最終受付)

休館日
会期中休業日あり(HPにてお知らせ)

会場
北野天満宮(〒602-8386 京都府京都市上京区馬喰町)