
株式会社PR TIMESは、岩手の情報発信力の向上を目指す「チャグチャグいわてPRプロジェクト2026」メインイベントを盛岡市内で開催。盛岡市出身の俳優・戸塚純貴さん、スピードスケート五輪金メダリスト・髙木美帆さん、岩手でも活躍中の俳優/タレント・渡辺裕太さんが登壇しました。イベントには岩手県の内外から家族連れ250人超が詰めかけ、大きなにぎわいを見せました。

イベントの始まりは、岩手県内の小学生60名が「子どもいわてPR大使」となる体験プログラム。会場内の地元企業のブースを回って商品やサービスの話を聞き、思い思いのプレスリリースを書き上げます。

プログラム中盤には、テレビ岩手の人気番組「5きげんテレビ」の取材レポーター・現在は金曜MCを務める俳優/タレントの渡辺裕太さんが特別ゲスト記者として登場。地元企業への取材のお手本をリポート形式で披露しました。伺ったのは、岩手の伝統芸能「獅子踊り」の幕や袴の染め物を主に作っている創業245年の老舗企業。持ち前の柔らかなコミュニケーションを取りながら情報を引き出していきます。

なぜその仕事をしているのか、どんなところに誇りを持っているのかが、自身も興味があり視聴者も気になるポイントだと子どもたちにアドバイス。その後は子どもたちと一緒にブースを巡り、「次はこんなことを聞いてみようか」と優しく手ほどきしました。

プログラムの最後には、参加した子どもたちを代表して小学2年生の吉田芽生さんと妹の華音さんが、岩手県商工労働観光部長・阿部博さんにプレスリリースを手渡し。阿部さんは「PRが苦手と長らく言われてきた岩手県だが、皆さんが今日一生懸命かいてくれたプレスリリースは時間や場所を超えて多くの人に届くと思う」とコメント。渡辺さんから、子どもいわてPR大使任命証書が贈られました。

渡辺さんは、「岩手は魅力があふれる場所だが、なかなか県外に伝わっていかないという話も聞く。僕が言うのも偉そうだけど謙遜することなく発信してほしいし、僕なりに頑張りたい」と話しました。子どもたちには「どういう思いでやっているんだろう?という視点で人に話を聞いてみて」とエールを送り、笑顔に包まれたまま賑やかなプログラムは幕を閉じました。

続いてのプログラムは、岩手県盛岡市出身の俳優・戸塚純貴さんによる、ふるさと岩手での凱旋トークセッション。岩手で生まれ育ち、俳優として幅広いジャンルで活躍する戸塚さん。2022年からは三陸・常磐の海の幸を使った“うみのうまい”水産加工品を伝えるテレビCMに「うみうまキャプテン」として登場しているほか、2026年4月からは朝の人気情報番組にパーソナリティー/リポーターとして出演中で、PRや情報発信の現場でも自身の表現を全国に届けています。

用意された150席は開始前に満席になり、立ち見も出て200人以上が参加という人気ぶり。白の半袖シャツに黒のカーゴパンツの爽やかな衣装に身を包んだ戸塚さんは、登場するなり茶目っ気たっぷりに手を振りながら、ステージの端から端まで歩いて会場全員に視線を向けます。「ただいま~!」と第一声を発すると、会場からは「おかえり~!」の声援とともに大きな拍手が沸き起こりました。

まずは地元の海産物の話題。岩手の銘品「海宝漬」(めかぶ、いくら、あわび、帆立、うに等の海鮮を漬け込んだもの)は誕生日に実家から送られてくるご褒美で、正月の帰省時にも買って帰るそう。ご飯に乗せて食べるのが好きだと言います。恋しくなるものは「ほや」。東京でやっと出会えても、触感・弾力・大きさがやはり地元のものとは一味違う、としみじみ。岩手の海産物について伝えたいことについて聞かれると、「一度でいいから食べてほしい。食べたら絶対に虜になるので」と話しました。

続いての話題は、去年KADOKAWAから刊行された、同じ盛岡出身の作家・くどうれいんさんとのコラボ書籍『登場人物未満』について。
書籍内では、戸塚さんが子どものころから親しんでいるという地元の商店街やデパートの屋上で撮影した写真も多数登場します。岩手の風景や思い出の場所の話題になると、18歳で上京したため「岩手のおすすめの場所を聞かれても公園しか出てこなかった」と笑いを誘いつつ、「お酒を飲めるようになって、素敵な個人店がたくさんあると気づいた。大人になってより素敵な街なんだと再認識した」と、県外に出たからこそ感じた岩手の魅力を語りました。

終盤には、事前に参加者から寄せられた質問に戸塚さんが答えるコーナーも。「Q. どんな時に岩手の良さを感じますか?」という質問には「常に感じている」と即答。「東京は仮住まいだと思っているので、やっぱりいずれは地元に戻りたい」と明かし、「スイッチが違う。地元にいるときは見せられないくらいだらだらしているので(笑)」と笑いながら告白。地元を出るときには今でも「力を込めて東京に向かっている」と、地元・岩手と挑戦の地・東京とで切り替えている一面を見せました。

続いて「Q.盛岡冷麺はリンゴ、スイカ、梨、どれ派ですか?」という、地元民でも意見が分かれるあるあるの質問。「スイカかな。季節ごとに変わるけどもうすぐ夏ですし」と理由を明かしながら、フルーツを食べるタイミングについて「最初に食べちゃう」と話すと、会場からは「え~」と驚きの声が。「え!あれデザート感覚なの!?」と目を丸くしながら、盛岡冷麺が大好きだという話題に。こちらも東京では地元の味になかなか出会えないとし、「ホームシックにはなったことないけど、冷麺シックにはなるもん」と話し、会場を沸かせました。

方言についての質問が飛ぶと、「僕はあまり方言がないんですけど…若い頃は訛ってなかったのに、久しぶりに会う同級生が訛ってる!とびっくりする」。司会にひとこと方言をと求められると「干しアワビの姿煮、食べてけろ!」と、コミカルな表情で貴重な岩手弁を披露しました。

最後に故郷への思いやメッセージを聞かれると、「間違いなくこの環境で育ったからいまの自分がいる。仕事上、柄にもないことをしないといけない場面もある中で、マイペースでいられるのは岩手で育ったから」と噛みしめるように語りました。続けて「岩手県の良さを僕なりに伝えていきたい」としながらも「僕一人じゃ無理。みんなが地元を愛して、みんなで盛り上げられたら」と声を掛けました。最後は「うみうま~い!」の掛け声で会場が一つになると、「また帰ってきます!」と笑顔で会場を後にしました。


イベントの締めくくりとなるのは、全国のスタートアップが「2036年に目指す自社の姿」をプレスリリースにし、岩手から発信するピッチコンテスト「Future Pressrelease from IWATE」。1次審査の結果、岩手県を拠点とする企業を中心に、医療・農業・演劇・建設・観光・教育・美容など多様な分野から計10社がファイナリストに選出され、当日はメディア関係者やスタートアップ支援の実務家などの審査員を前に最終ピッチが行われました。

プログラムの中盤には、特別ゲストトークセッション「等身大を受け入れる〜引退・髙木美帆が語る、飾らない自分の届け方〜」として、2026年4月に現役引退を表明したばかりの五輪金メダリスト、国民栄誉賞の授与候補にも名前が挙がる髙木美帆さんをお迎え。スケートという競技を通じて世界の舞台に立ち続けてきた髙木さんは、トップアスリートとして「自分の言葉でビジョンを語る力」を体現してきた一人です。現役時代から発信してきた言葉の力、そして引退会見で多くの人の心を動かした「飾らない情報発信」のあり方について語りました。

150人の観客に盛大な拍手で迎えられた髙木さんは、ストライプのブラウスに黒のパンツのスタイリッシュな姿で登場。岩手に来るのは2回目で、前回は盛岡開催の大会に出場した高校生の時。「当時は冬で雪が降る中だったので、緑の多い時期に来られて嬉しい」と笑顔。

4月の引退会見で引退について『決断ではなく、受け入れた感じ』と語った髙木さん。言葉選びについて聞かれると、過去も振り返りながら「自分が発言したことに対して責任を取ることが大事。責任の持てる範囲で話すようにしている」「強いことを発言するときには、それだけの覚悟が必要。言ったことと現実に起きることのギャップがなるべくないようにしている」と、まずは自身のポリシーを話しました。昔からインタビューを受ける機会が多かった髙木さんは、「いいことを言おうとして苦しくなっていった経験もあった」と明かし、そうした経験から「自分の気持ちに嘘はつかないことを大切にするようになった。それが等身大の表現になっているのかも」と話しました。

後半は、髙木さんの名コメントの裏側を掘り下げていくコーナーに。
2022年北京五輪で1000m金メダルを獲得した際の『体は限界、でも喜び倍増』。普段は自分の状態についてあまり発言しないようにしていたにもかかわらず思わず言葉にしてしまうほど、体は限界に近かったと振り返りました。でもだからこそ、オリンピックという舞台で爽快感を感じることは難しいことだと思っている中で「走り切った!」と感じることができたと話しました。

続いて2010年、スピードスケート史上最年少15歳でのバンクーバー五輪出場後に発した「ここでメダルをもらわなくてよかったと思う」。15歳の若さでこの言葉が出てくることに会場からは感嘆の声が。団体パシュートで日本が銀メダルを獲得した時ご自身は出場機会がなく、そのことについてのコメントでした。コメントの真意について「圧倒的な自分の力不足を感じていた。バンクーバー五輪から見られ方が変わったことを15歳ながらに感じていた」と背景を話し、「自分の今の実力ではヒーローになる資格はない」「自分の力で取ったと勘違いしてしまう」と、当時から冷静に自分を見つめていたことを明かしました。その後も時間の許す限り、五輪や会見時の印象的なコメントについて、その裏側を語りました。

最後に観客へのメッセージを求められると「外リンクで滑る機会が減ったので岩手に来ることも久々になったけれど、こうして私の話を聞きに集まってくださって心が温かくなった」「発信してきた言葉に注目してピックアップして話題にしてもらえるのは、自分の気持ちを言葉にすることを大切にしてきてよかったなと改めて感じている」と感謝。

「外に伝えるということは、誰かに何かを感じてもらうことでもある。その先に肯定も否定もあるから私も恐れた時もあったけど、外に出すからこそつながれたり、本当の自分の気持ちに気づいたり、進みたい道に歩むことができるきっかけになることもある」と、発信することについて力強いエールを送りました。
写真提供元/PR TIMES チャグチャグいわてPRプロジェクト2026