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俳優・伊藤英明氏も参加!コロコロコミックが“街づくり”を創る!? 小学館「子ども未来ラボ」第0回構想サミット開催――エンタメの力で少子化と地域課題に挑む

2026/07/13

小学館は6月24日、東京・一ツ橋センタービルにて、小学生向けマンガ雑誌『コロコロコミック』から派生したコロコロコミック研究所(ラボラトリー)による新プロジェクト『子ども未来ラボ』第0回構想サミットが開催された。

本プロジェクトは、半世紀にわたり子どもたちの「遊び」を支えてきたコロコロコミックが、自治体や有識者と連携し、深刻な少子化や地域の衰退といった社会課題を「エンターテインメントの力」で解決することを目指す共創プラットフォーム。サミットには、オフラインで参加されたコロコロコミック企画室、副編集長 小林浩一氏、内閣府プロデューサーの渡邉賢一氏、俳優の伊藤英明氏、アメリカ・シリコンバレーで起業されたアレルギーフリーの“遊べるクッキー生地”を開発・販売するColoridoh Inc. の創業者兼CEOの竹内ひとみ氏、放送作家集団SACKAの代表でありテレビプロデューサー・演出家の山谷和隆氏、グーグル日本法人でYouTube ショッピングを統括してきたTWOGATEの仲田真人氏をはじめ、三重県伊勢市、神奈川県大磯町、栃木県壬生町の首長、栃木県こども政策課らが集結。子どもたちの「ワクワク」を起点とした、これまでにない新しい社会のデザインについて熱い議論が交わされた。

■「支援」から「共創」へ、子ども心の爆発力を社会へ

内閣府プロデューサーの渡邉氏は、プロジェクトの指針となる「3つの力」として、「伝える力・巻き込む力・実現する力」を提示した。 日本の出生数が68万人台まで急減している現状を危惧しつつも、「クールジャパン戦略」の市場規模が20兆円を超え、2033年には50兆円を目指している明るい側面を言及。「これまでの子ども政策は『支援』が中心だったが、これからは子どもたちの創造力を活かした『共創』へシフトすべき。遊び心を中心に据えた街づくりこそが、日本を救うエネルギーになる」と語った。

「今回、『コロコロコミック』と(自治体が)組むということで、3つのポイントのうちの1つが『伝える力』。今コロコロコミックは21万部発行していて、YouTubeの登録者数は400万人。小学1年生から6年生まで(の人口)は今600万人です。動画は月間2億6千万回再生されています。ですので、子どもたちに直接伝える『伝える力』でいうと、その最大のメディアであるコロコロコミックと一緒に組むことは、ものすごい爆発力があります。全国の小学生に一番ダイレクトに届くのがコロコロコミックです。この『伝える力』で皆さんのアイデアを一度紡いでみたい」

そして2つ目の『巻き込む力』についても言及。「今回いろいろな町の首長さん、県庁の方々、伊藤英明さん含めた俳優やアーティスト、漫画家さんやクリエイターの方々が集まっています。コロコロコミックの周辺には、たくさんの企業やインフルエンサー、アーティストの方々がいるので、こういった方々をどう巻き込んでいくか」と語り、「それをどう具体的に動かしていくかが、3つ目の『実現する力』です。真ん中に『遊び心』と『ワクワク感』があって、この中にこの3つの葉っぱである『伝える力』『巻き込む力』『実現する力』がある。今回は『我々でこんなことができたらいいな』というアイデアやお話を、皆さんから聞いてみたい」と意気込んだ。

■自治体トップが語る「ワクワクする街づくり」の最前線

各自治体によるプレゼンテーションでは、地域のリソースと「子ども心」を掛け合わせたユニークな施策が次々と披露された。

まず三重県伊勢市の鈴木健一市長によると、「公園なのにボール遊び禁止」といった閉塞感を打破するため、子どもたちや保護者のアイデアを直接反映させた「インクルーシブ公園」づくりや、スケートボードなどのアーバンスポーツ展開を推進しているという。「子どもが民主主義の基礎を学ぶプロセスそのものをワクワクするものにしたい」と述べた。

神奈川県大磯町の池田東一郎町長は、「子育て世代に大磯町に来てもらいたい」という思いから、『子ども子育て応援アクションプログラム』として給食無償化や18歳までの医療費無償化などの経済支援を実施。さらに「湘南発祥の地」として、1000人が集まり海辺で映画を見る「海辺の映画館」や、町を挙げた「水鉄砲大会」など、親も子も全力で楽しめるイベントを重視。人口3万人の大磯町で1万8500人が参加するほど、好評を得ている。池田町長は、「子どもが楽しい街は大人も楽しい。それが人口減少への歯止めになる」と実例を示した。

栃木県壬生町の小菅一弥町長は、1960年代に多くの玩具工場が誘致されてできた実際の町名・地域名である「おもちゃのまち」があることから、その全国唯一の地名を活かし、バンダイナムコやタカラトミーと連携。子どもたちが自分たちの街を誇りに思えるよう、ガンプラを通じた教育や、街全体を「人生ゲーム」に見立てる構想など、夢のあるプロジェクトを提案した。

栃木県こども政策課は、少子化対策として幼稚園・保育園などの保育料の減免や、母親が妊娠・出産するまでの医療費の助成等に取り組んでいる。経済的な支援だけでなく、「子育ては大変だけどそれ以上の喜びもある」という思いをPRするため、『啓発コンテスト』を実施。川柳や写真、動画など7つの部門で、子育てにまつわるエピソードを集めて受賞作品を選んでいる。

■「読書パスポート」から「爆発体験」まで、広がる具体案

本ラボのアンバサダーに就任した俳優の伊藤氏は、自身の幼少期の体験を交えて熱いメッセージを寄せた。

「僕は小学校時代の3年間を入退院で過ごしましたが、いつもコロコロを読みながら冒険心を膨らませていました」と語り、「今の公園は走ることも騒ぐことも制限され、子どもも大人も息苦しい閉塞感を感じている。大磯の『水鉄砲大会』のような、理屈抜きでワクワクする場を、コロコロを通じて全国に広げていきたい」と、エンターテインメントが持つ社会的な意義を強調した。

サミットでは、課題解決のためのアイデア出しを促すディスカッションも行われた。その中で小林氏から、コロコロコミック研究所と福島県白河市の間で始まっている「コミックパスポート」の事例が紹介された。これは図書館での子どもの読書率を上げるための施策。コロコロコミックで掲載されている作品のキャラクターが本の世界を案内するこの仕組みは、既に「全小中学校への配布」という形で実現している。

小林氏は「このパスポートの所持者を“実りある本の旅”へ案内し、読者の誕生とワクワクを感じてもらえるように編集しました。僕は出版社の人間なので、やっぱり子どもに本に触れてほしい。少しでも本を読んでほしい。少しでも良い本に巡り合わせたいという思いを、白河市の方々と相談してやらせていただきました。『伝える力』『巻き込む力』『実現する力』というところで言うと、方向性は合っているのかなと思います」と語った。

さらに、栃木市にある戦隊ヒーローのロケ地として、爆破シーンなどでおなじみの採石場(岩船山)を活用した「爆破体験イベント」や、神社の祭りに漫画家が協力する案、子育て経験を「母人力(ぼじんりょく)」というキャリアとして捉え直す提案など、多角的なアイデアが噴出した。

■未来へのロードマップ

「子ども未来ラボ」は今回の第0回サミットをキックオフとし、以下のスケジュールで展開を予定している。

  • 2026年秋: ラボの正式発足、参画自治体との実証プロジェクト立案
  • 2027年以降: 各地域での実証実験(IPコラボ、子ども参加型街づくり)の実施、全国展開

小林氏は、「クリエイティブは雑談からしか生まれない。ただの『良い会』で終わらせず、現実を具体的に変えていく。大人がワクワクする背中を見せることで、明るい未来を子どもたちに手渡したい」と締めくくった。

「遊び」のプロであるコロコロコミックが、行政の枠を超えて日本の未来をどう塗り替えていくのか。今後の「子ども未来ラボ」の動向に注目が集まる。

オフライン参加メンバーも豪華!(左から)俳優・伊藤英明氏、内閣府プロデューサー・渡邉賢一氏、コロコロコミック企画室副編集長・小林浩一氏、coloridoh Inc.・竹内ひとみ氏、SACKA・山谷和隆氏、
TWOGATE・仲田真人氏