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PSYCHIC FEVER・小波津 志が語る、故郷・沖縄の魅力とアーティストへの道【前編】

2026/07/15

東南アジアをはじめ、世界を舞台に飛躍を続ける7人組ボーカル&パフォーマンスグループ・PSYCHIC FEVER(サイキックフィーバー)。そのメンバーである小波津 志(こはつ こころ)さんのルーツは、沖縄県うるま市にあります。

豊かな自然と歴史ある街並みが残る故郷からアーティストへの道を駆け上がり、日本全国、そして国外で武者修行までした小波津さん。幼少期の原風景や上京時のエピソード、そして海外進出を果たした今だからこそ気づいた「地元の魅力」について、たっぷりと語っていただきました。

特別インタビューは、全2回でお届け。前編の今回は、小波津さんのバックストーリーから沖縄県うるま市の素晴らしさを紐解きます。

●小波津 志
2000年11月9日生まれ、沖縄県出身。LDH JAPAN所属の7人組ダンス&ボーカルグループ・PSYCHIC FEVERのボーカル兼パフォーマーとして活躍中。幼少期よりダンスを習い、LDHのダンススクールEXPG STUDIOに入校。2019年にグループが初披露された後、47都道府県を回る「武者修行」を行う。2022年7月13日にデビューし、グループとしてタイでの武者修行や、東南アジアを中心としたグローバルな活動を経験。
PSYCHIC FEVER公式サイト https://www.ldh.co.jp/management/psychic_fever/

「沖縄県うるま市の海が、僕の原風景」 小波津さんの地元ストーリー

──出身地である沖縄県うるま市は、小波津さんから見てどんな魅力のある場所ですか?

小波津:高校まで過ごした街なので、故郷すぎて「魅力」と聞かれると少し難しいですね(笑)。今思えば、とても景色が美しい場所だったなと思います。あまり観光地化されていないからこそ、ビーチは人が少なくて、落ち着くスポットがたくさんあるんです。「勝連城跡」のような壮大なお城もあり、観光の方でにぎわう場所もありますね。琉球王朝時代の歴史を知ることもできて、僕も学校行事で行きました! 「海中道路」も有名で、町のシンボル的な存在です。那覇市にも結構近いですし、「海中道路」を使えば離島にも車ですぐ行ける。沖縄のいいとこどりができる場所だなって思います。東京で言ったら、吉祥寺みたいな感じかな? 都会過ぎないけれど、自然豊かな暮らしやすい場所なんです。

──海へ遊びに行くことはありましたか?

小波津:よく行っていました! アクロバットの練習をしに行ったり、大好きな釣りをしに行ったり。でも、あまり泳ぐことはなかったかな。よく「沖縄の人はあまり海で泳がない」なんて言われますがそれは本当かも。生活の中に当たり前にあるものなので、「遊ぼう!」となったときくらいしか泳がないんですよ。自分は、ただ海を見ているだけ…なんてのも好きでした。眺めるだけで、心が落ち着くんです。

──小さい頃、「ダンスをやりたい」と泣いてご両親を説得されたそうですね。

小波津:僕は、物心つく前から音楽を聴くと踊り出すような子供だったそうです。沖縄はエイサーや民謡といった独特文化があって、そんな環境で育ったからこそ、自然と音楽が好きになったんじゃないかな。

ダンスに興味を持ったのは、テレビでEXILEの皆さん見たとき。両親が言うには、「ダンスがしたい」と急に自分から言い始めたんだそうです。泣いて頼むので、両親はびっくりしたようですが、「スイミングスクールも通うならやってもいいよ」と言ってくれて。地元のダンススクールに通わせてもらい、ブレイクダンスを習いました。それが今の自分のダンスジャンルの武器にもなっているので、色々な偶然が重なって、今があるなと思います。

──ちなみに、子供時代はどんなお子さんでしたか?

小波津:ずっと運動場でサッカーをしているような、動いてばかりの元気な少年でした。遊ぶのが大好きで、勉強は大嫌いでしたね(笑)。ただ、音楽の授業は好きで熱心に授業を受けていました。声が高かったので、中学校まで女の子と一緒にソプラノを担当していて、率先して指揮者もやっていたんですよ。

性格は、意外と人見知り。ただ、ダンスなど〝自分を表現できる〟ときは目立ちたいタイプだったかも。運動会でエイサーをやるときに、アクロバット披露したこともあります。

そういえば、小さい頃にダンスバトルに出て結果を出したとき、ご褒美として両親が好物を作ってくれたことを思い出しました。それがすごくおいしくて、うれしくて! リクエストするのは、そぼろ丼やきんぴらごぼうとか、今思うとチョイスが渋いですね(笑)。あの味は今でも忘れられなくて。久しぶりに食べたくなっちゃったな。

──ダンスボーカルアーティストの道を本格的に目指し始めたのは?

小波津:LDHが運営するダンススクールEXPGに入校してからだと思います。中学2年生の時にEXPG内でオーディションがあり、そこで歌わないといけなかったのをきっかけにボーカルレッスンを受講するようになったんですよ。当時はまだ声が高くてソプラノだったので、変声期を迎えてからは本当に苦労して…。声の出し方も分からない上に、高音がすべて裏返ってしまい、思うようにいかない状況が続いたんです。「ボーカルはできないかも」と、あきらめたくなる期間が長かったです。

それでもくじけずに続けられたのは、両親の存在があったから。家から那覇のEXPGまで片道2時間くらいの距離を、毎回送り迎えしてくれたんです。週4~5回、毎日通うこともあったのに、欠かさず。そういう親のサポートや、「もうちょっとやってみたら?」という後押しがあったからこそ、続けられたと思います。レッスンを続けるうちに「変声期なりの声の出し方」を見つけられました。

「武者修行」で全国行脚! 小波津さんがグループ活動で見つけた、日本の素晴らしさ

──グループ結成直後、全国を回る「武者修行」ライブをされたそうですね。印象に残っている地域はありますか?

小波津:やっぱり沖縄ですね! 活動のために高校卒業と同時に上京し、それまで旅行以外で沖縄を長期間離れたことがなかったので、環境やイントネーションの違い、人混みや電車での移動に戸惑いっぱなしで。初めての共同生活にも慣れず、ホームシックになりました。実は僕、こう見えてすごくインドア派。趣味はゲームで、ひとりでいたら家を出ないような性格なんです。

だから上京当初は「自分はここでやっていけるのかな…」なんて不安で。家族に会いたくて、寂しいときは家族に電話やLINEをしたり、沖縄時代から使っていた馴染みのある毛布を実家から送ってもらったりして、心のよりどころにしていました。

だからこそ、「武者修行」で沖縄に行ったときは、すごく感慨深かったです! 昔行っていたショッピングモールにアーティストとして戻ってこられたこともうれしかったですし、友達や家族、いとこが全員来てくれたのがとても印象的で。「帰ってきたな」と強く感じましたし、沖縄の方の温かさに感激しました。やっぱり、沖縄っていい場所だなと感じましたね。

──沖縄以外で、強烈に記憶に残っている都道府県はありますか?

小波津:岡山ですね。ものすごく寒くて、印象に残っているんです。冬だったんですが、マイクが上手く持てないほど寒かったんですよ。もっと気候のいいときに、パフォーマンスをしたかったなぁ。リベンジしたいですね!

広島も、リリースイベントでよく行かせていただくので印象深いです。雰囲気もいいし、もみじ饅頭がおいしくて。訪れたらつい買いに行っちゃいます。

──グローバルに活動しているPSYCHIC FEVER。海外公演を通して日本の魅力を再発見したことはありますか?

小波津:初めての海外が「武者修行」で行ったタイでした。日本とは違う街の雰囲気や暑さだけでなく、音楽に対する熱狂度合いも違って驚きました! 凄く熱量が高く、盛り上がってくれます。今では東南アジアだけでなくアメリカやヨーロッパにも行かせていただき、様々な場所でライブをしていますが、海外のライブは言語に関係なく僕たちの楽曲を歌って踊ってくださる方々が多いので、とてもうれしくなります。

海外の方は、ライブで自ら声を出してくれるんですよ。SNSで写真や動画、感想をシェアしてくださる活発な人も多い印象があります。一方で日本のファンの方は、パフォーマンスを見逃さないように見つめてくれて、思い出はあまりシェアせず心に残したいというカルチャーがある気がして。文化の違いも感じました。

あとは、海外ライブをして改めて「日本の四季のすばらしさ」を感じました。PSYCHIC FEVERのライブでは、『Snow Candy』という曲を冬の時期に合わせて披露することがあるんでが、日本だと皆さんすごく盛り上がってくれるんです。でもタイで披露したときは、皆さん雪をあまり知らないのでウケなくって(笑)。完璧だと思っていたセットリストだったんですが、すぐに入れ替えたことがあります。

四季のエッセンスって、日本のバンドミュージック、アイドル、アニメなど、様々な楽曲に取り入れられていて、それが曲の多様性に繋がっているんだと海外に行くと感じますね。異なる季節に合わせて表現を変えられることは、日本の大きな魅力だなと思います。
★インタビュー後編も近日公開予定!

●information

PSYCHIC FEVERのニューアルバム『DIFFERENT』が7月10日にリリース
メンバー7人の異なる個性やバックグラウンドを強みに変え、新時代のストリートミュージックを示す待望のフルアルバム。構想・制作に2年を費やし、世界での経験をもとに再定義した独自のサウンドが全10曲に詰め込まれ、聴きごたえのある1枚。
CD 通常盤¥3,300/WARNER MUSIC JAPAN詳しくはWARNER MUSIC JAPAN のサイトで。https://wmg.jp/psychic_fever/

編集・構成/衛藤理絵