
群馬県のめっき加工を営む町工場(日東電化工業)から誕生し、健やかなスキンケアライフスタイルを提案する敏感肌ブランドOSAJI(オサジ)は、2026年8月7日(金)、群馬県みなかみ町にて、ブランド運営を担う東京オフィスの社員および店舗スタッフ約30名を対象とした「ひまわり圃場(ほじょう)・クロモジ精油抽出工程見学会」を実施予定。

本取り組みは、化粧品原料の輸入依存率が高い日本国内において、地域資源を活用した原料自給の可能性を模索するとともに、人口減少などの地域課題を抱えるみなかみ町との持続的な地域循環の実現を目指し、2018年より継続しているプロジェクトです。

豊かな自然環境を有するみなかみ町で、「地域の中で育ち、地域に還元できる作物とは何か」を探る中で、OSAJIはひまわりに着目。試行錯誤を重ねた結果、2026年初頭には、ひまわりの種から抽出したオイルを製品化できる量の確保に成功しました。
そのオイルを使用した初の商品化を迎えるにあたり、社員自身が製品へとつながる過程に触れ、サステナブルなものづくりへの理解を深めることを目的として、本見学会を実施します。

OSAJIは、本活動を単なる原料調達ではなく、「地域に根ざした循環型のものづくり」を体現し、社員一人ひとりが地域とのつながりやものづくりの背景を学ぶ機会と位置づけています。

みなかみひまわりプロジェクトは、OSAJIブランドディレクター・茂田正和さんが中心となり、「地域資源を活かした原料づくり」と「日本の化粧品産業が抱える構造課題の解決」を目指して、2018年より試行錯誤を重ねてきた取り組み。みなかみ町で育てたひまわりの種からオイルを抽出し、最終的にはヘアオイルとして製品化することを目標に、ゼロからものづくりに挑戦しています。
群馬県みなかみ町は、豊かな自然環境を有し、ユネスコエコパークにも認定される地域。一方で、人口減少や高齢化に伴い、耕作放棄地の増加が地域課題となっています。かつて人の営みがあった土地が、少しずつ荒地へと変化していく——その現実に地域は直面していました。

荒地から開墾した時の圃場
こうした中、みなかみ町役場より茂田さんへ、「地域の自然環境と人の暮らしが共存する新たな地域づくりを一緒に考えられないか」という相談が寄せられたことが、本プロジェクトの始まりです。
その想いは、茂田さんが長年抱いていた「日本の化粧品づくりの未来への危機感」と重なりました。
現在、日本の化粧品原料の多くは海外からの輸入に依存しています。近年は、Kビューティーをはじめとする世界的な化粧品市場の成長により、原料調達競争が急速に激化しています。
このまま輸入依存が進めば、将来的には「日本国内で安定的に化粧品をつくり続けること」が難しくなる可能性もあるんだとか。

採取したひまわりオイル
元々、群馬県のめっき加工を営む町工場から誕生したOSAJIにとって、日本の「ものづくりの現場」が衰退していく危機感は、創業時から根底にあるものだそうです。だからこそOSAJIは、こうした状況を単なる原料問題ではなく、「日本のものづくり基盤そのものに関わる課題」だと捉えています。地域で育て、地域で還元し、国内で循環していく仕組みを少しずつでも増やしていくこと。その実践の一つとして、この“ひまわり栽培”に取り組んでいます。
「国産原料比率を高めることは簡単ではない。けれど、自分たちの世代が挑戦しなければ、その未来は始まらない」その想いのもと、OSAJIは植物や海洋資源、酒粕など、日本各地に存在する未活用資源の化粧品原料化に挑戦しています。

群馬県の小学校での「これからの工業生産とわたしたち」がテーマの社会科の授業
本プロジェクトは、単なる地域連携や農業体験ではなく、地域課題、原料自給、サステナブルなものづくり、人材育成、それらを横断する、“これからの化粧品産業のあり方”を模索する実践でもあります。
肌だけでなく、地域や社会の健やかさにも向き合うブランドとして、日本のものづくりの未来に挑戦していくこれからのOSAJIに期待が高まります。

「みなかみひまわりプロジェクト」は、化粧品原料の栽培という枠を超え、地域との新たな関係性を育む取り組みへと進化しています。ひまわり畑で生まれた小さな挑戦は、今、地域住民や農家、福祉事業所を巻き込みながら、“地域の未来をともにつくるプロジェクト”として広がり始めています。

「化粧品の原料となる花を地域で育てる」という取り組みは、みなかみ町でも少しずつ話題となり、地域住民や地元農家から関心や期待の声が寄せられるようになったそう。特に近年は「使われなくなった畑を活用してほしい」 といった具体的な相談も増加。耕作放棄地の活用という観点でも、地域との連携が広がっています。

2026年からは、新たに地域の社会福祉事業所との農福連携をスタートしました。すでに、畑づくりや育苗作業を共同で進めており、今後は植え付けや収穫など、より本格的な協働フェーズへ移行していきます。化粧品原料づくりを通じて、地域に新たな役割や関わりを生み出すこと。OSAJIは本プロジェクトを「地域資源」「人」「仕事」がゆるやかにつながる持続可能な仕組みづくりとして捉えています。
担当者とOSAJIブランドディレクター・茂田正和さんのコメントもご紹介します。

昨今の世界情勢や各種業界での課題がある中で、農業においても目先から長期にわたって課題が山積みです。
今回のプロジェクトが始動し参画したことで、僕自身の農業観に視点が一つ増えたように感じました。食にまつわる農業から、生活、スキンケア、心の拠り所につながる農業もあるんだなと。
僕自身、「農業の分岐発展」をテーマに活動している中で、地域の産業から世界に響き渡るような価値を創っていけると感じています。

食の世界と同じように、実は化粧品の世界でも、日本は多くの原料を海外に依存しています。現在、東南アジアをはじめ世界中で化粧品の需要が急速に高まっており、将来的には日本に原料が回ってこなくなる、そんな未来も決して他人事ではありません。
髪や体を洗うこと。仮に化粧品がなかったとしても人の生死には関わらないかもしれません。しかし、私たちが文化的で豊かな生活を送るためには、必要不可欠なものです。
このような大きな社会課題に向き合うプロジェクトではありますが、いざ自分たちの手でものづくりを始めてみると、そこには言葉にできない充実感や、人との温かい出会い、語らいがありました。それは何よりも楽しく、ワクワクする経験です。
私たちのこの取り組みが、単なる「社会課題への義務感」としてではなく、これからの未来に楽しく向き合う輪を広げるきっかけになってくれたら、これほど嬉しいことはありません。