1986年に創刊したビジネストレンドマガジン『DIME』の恒例企画「2021第34回 小学館DIMEトレンド大賞」が決定!その年を象徴するヒット商品や話題を集めたサービス、人物や団体、これからブレークがう予想されるモノ、コト、ヒトなどを表彰するこの賞も、2021年で34回目を迎えた。トレンドをキャッチアップし続けてきた『DIME』が選んだヒット商品。雑誌『DIME』、WEB『@DIME』やSNSで3万1618票の読者投票をもとに、編集部員、そして最終選考委員4名(小山薫堂氏、ヒャダイン氏、宇賀なつみ氏、安田典人DIME編集室長)により選ばれたヒット商品をまとめて発表。
SDGsは、2015年9月の国連サミットで採択され、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間でよりよい世界を実現するために掲げた持続可能な開発目標だ。コロナ禍の暮らしの変化の中で急速に認知度が高まり、満場一致でトレンド大賞に選ばれた。「当初は誰も見向きもしてくれませんでしたが、現在では各メディアで特集やキャンペーンが組まれ、多くの自治体がSDGsに取り組み、街や電車の中でSDGsのバッジを胸につけたビジネスパーソンが行き交っています。6年目でここまで広がるとは出発時点では思いもしませんでした」と、スタートからSDGsの普及に努める、国連広報センター所長の根本かおるさんは語る。
しかし、地球環境保護や貧困の根絶といった全17分野にわたる目標達成の道は険しい。コロナ禍の混乱で苦境に陥る人々が増え、格差や不平等といった社会のひずみはより深刻化し、世界の飢餓人口もコロナ前より増加傾向にある。また、国連広報センターでは、気候変動や、対策としての気候行動を、最優先課題として発信してきたが、自分の選択で気候変動に歯止めをかけられることがまだまだ認識されていないという。
「こうした時代でも、『小手先の対処では解決できない』『世の中の仕組みをより格差がなく、クリーンで持続可能な方向に転換しなければいけない』という課題意識は広がっていると感じています。特に、2021年はSDGsの大原則である『誰一人取り残さない』という理念が共感を集めたと考えています」
さらに、コロナ禍では家で過ごす時間が増え、「丁寧に暮らす」「日々の生活に工夫を加える」動きが活発化。地球環境や自分と社会・世界とのつながりなどに目を向け、サステナブルな暮らし方を実践できたこともSDGs定着の一因と、根本さんは分析する。
「SDGsを経済・社会・環境の3つの側面にまたがる変革のための枠組みとしてとらえていただきたいと思います。日本だけでなくすべての人がビジネスや暮らしの中でアクションを起こし、世界の課題、世界が目指すべき方向性の視点を持つことが重要です。このふたつを有機的につなげながら、SDGsを自分ゴト化していただければと願っています。17分野のうち、関心があるゴールから取り組みを始め、それを入り口にして他分野も掘り下げていくと、あらゆる分野がつながっていることが見えてくると考えます」
出典/電通 第4回「SDGsに関する生活者調査」、世界持続可能投資連合、帝国データバンク 「SDGsに関する企業の意識調査」(2021年)、国際エネルギー機関(IEA)、世界経済フォーラム(WEF)「ジェンダーギャップ指数2021」