ススキの穂が秋の日に輝いている。
『焚き火の学び場』への道すがら、講師の長谷部さんは立ち止まるとその穂を摘んだ。「今回は、麻ひもだけでなく、ススキの穂も火口(ほくち)に使いましょう」福岡県北九州市・山田緑地にパルパークができて3年。恒例となった『“森の焚き人”養成講座』が今年も開催された。
森の焚き人とは、子どもたちに焚き火のやり方や楽しさを伝えるパル(仲間)のこと。パルパークを持続的に運営するために欠かすことのできないサポートメンバーである。3期生は19歳から70代までの6人。
「技術の習得はもちろんですが、森の循環の中での焚き火の位置づけを常に忘れないようにしましょう。そして、自然の知識を深め、自然を活用することで焚き火がもっとおもしろくなることを体感してください」
ススキの穂を手にした長谷部さんのことばに、森の焚き人たちがうなずく。3回目となる養成講座は、その内容もより深まっていた。
2日目は子どもたちを迎えての焚き火教室。昨日の生徒がこの日は先生になる。ここでも新たな試みが加えられた。長谷部さんは裏方に徹し、主体性を発揮するよう1・2期生も含めた森の焚き人たちにすべての運営がまかされたのだ。
スタートは緊張からかぎこちなかったが…。「火がついた!」ファイヤースターターの火花で火口がボッと燃えた瞬間、子どもが歓声を上げた。「やったね!!」火のつけ方を教えていた先生は、子どもよりも大きな声を爆発させた。焚き火教室終了後の振り返りで、森の焚き人が口にしたのは伝えることの難しさと喜び──充実感だった。
さらに、「焚き火場を増設したい」、「マシュマロだけでなく焚き火料理を体験させてあげたい」、「自然とのつながりを伝えるために、薪集めからやらせてあげたい」といったさまざまな希望が語られた。こうして…パルの輪が広がり、パルパークは一歩ずつ着実に進化を続けている。
(やべえ…緊張する)親子7組が参加して開催された焚き火教室。
2期生のミヤザキさんが総合MCの大役を任された。焚き火教室は大成功!
山田緑地ではこの冬も焚き火イベントを定期的に開催予定。
ファイヤースターターのコツをマンツーマンで教えた成果!
子どもたち全員が成功!!
広がるパルの輪!進化するパルパーク!!
1期生から3期生まで、パルパークの未来を支える森の焚き人。焚き火で心をひとつに!