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青森県が全国初の全県導入 小児科オンライン診療をスタート

2025/10/23

青森県は2025年10月1日から、県内に住む18歳以下を対象に、オンラインで小児科を受診できる新たな取り組みを始めました。県内全域を対象とする小児科オンライン診療の導入は全国で初めて(※)。運営は日本最大級の医療支援プラットフォームを手がけるファストドクター株式会社が担います。

※:県公表・報道に基づく

365日、朝6時から夜8時まで対応

対象は青森県在住の18歳以下で、毎日朝6時〜夜8時までオンライン診療を受けられます。住民専用の申込みページから問診、保険証、支払い方法の登録などを済ませると、平均15分程度の待ち時間でオンライン診療へ接続。診察後は、最短1時間で近隣の薬局に処方薬を受け取ることができます。

診療は小児科専門医、または臨床経験3年以上で小児診療が可能な医師が担当。必要に応じて、看護師が地域の医療機関への受け入れ調整も行います。

背景にある「小児科の減少」と「豪雪地帯」という地域課題

青森県は小児科医の数が全国平均を下回り、特に非都市部では医療アクセスが難しい状況が続いています。さらに、豪雪地帯ならではの冬季の移動困難も課題となっており、体調不良の子どもを抱えて長距離を移動する保護者の負担は大きなものでした。

日本医師会「地域医療情報システム」より(作図:ファストドクター株式会社)

こうした事情から県は、「安心して子どもを育てられる環境づくり」と「不要不急の救急車利用の抑制」を目的に、オンライン診療の全県導入に踏み切りました。

平日日中もカバーする全国先駆けの仕組み

これまで、自治体によるオンライン診療導入は、夜間や休日の補完が中心でした。青森県の事例は、平日日中帯も対象とする全国初の取り組みです。今回の青森県の事業は、地域の小児科医療を支える新しい仕組みとして期待されています。

ファストドクターは全国で同様の取り組みを進めており、青森県での導入は都道府県単位では初の事例。医師の偏在という全国的な課題に対し、オンライン診療を活用した新しい医療アクセスの形が注目されています。

写真提供:photoAC