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アイデアで地方を活性化! DIMEが提案する“社員旅行ルネサンス”とは?

2025/08/07

雑誌・Webにとどまらず、イベントや著名人との連携を通じて“仕掛けるメディア“として進化を続ける『DIME』。DIME編集長・石﨑寛明氏が描くのは、企業・自治体・メディアを掛け合わせた、新しい地方創生の形。自治体の魅力を全国に届けるユニークな企画構想を聞いた。

地域のアイコンをコレクションできるトレカ構想

DIME編集部では群馬県のご当地キャラクター、ぐんまちゃんとのコラボ本として『ぐんまちゃんBOOK』を2025年2月に発売した。

『ぐんまちゃんBOOK』は、活動30周年を記念した初の公式写真集。群馬県内の人気スポットをぐんまちゃんが案内する。

「私は群馬県出身で、現在も頻繁に地元と行き来していますが、本に取り上げられた観光スポットや、ご当地グルメなどには初見の情報が多く、自分が慣れ親しんでいるはずの地域でも知らないことが山ほどあると痛感しました。自分の住む県には魅力がないと思っている方もいらっしゃるかと思いますが、外から第三者目線で掘り返すととんでもなく面白いものがたくさんあります」

石﨑編集長は地方自治体と実現させたい企画として、“トレカ構想”を持っているという。

「6月16日発売のDIME8月号ではトレカブームの舞台裏を特集していますが、地方のトレカが盛り上がっていますよね。特産品や民芸品をテーマにしたトレーディングカード構想を実現できれば話題性は高いと思っています。ご当地グルメや、最近目にすることの増えた地域ごとに独自で作るデザインマンホール蓋などもテーマになり得ると思います。トレカはコレクション性が高いので、集めているうちに、他県の方がその地域を学ぶ糸口になることもあり、地域住民にとっては、自分の県や町の良さを再発見できるメリットもあります。自治体の魅力を発信することは住民や将来的に故郷にUターンする人にとってもプラスになり、移住者や関係人口を増やす取り組みにもつながります。推し活的な文脈では、県外にも県のファンを増やしていくことで、県自体のイメージアップにもなると思います」

観光地に人の賑わいをつくる「社員旅行ルネサンス」

地方の観光を盛り上げるアイデアとして社員旅行の復活案も面白いのではとアイデアを膨らませる。近年社員旅行離れが進んでいて、2019年の調査でも実施企業の割合は、5年前に比べて10ポイント近く減少し3割を切った。そんな状況下でも社員旅行には地域を潤す種がゴマンとあると考える。

「社員旅行には旅を楽しむ以外に他県の魅力を体験できるというベネフィットがあり、実際に社員旅行を通じて全国区になった温泉地や観光スポットが数多く存在しています。昨今企業が力を入れるチームビルディングの強化策としても、社員旅行に再度スポットがあたり復活して欲しいと願っています。各自治体が新しい時代に向けて社員旅行をリブランディングしてみても面白いですね。学び×旅を両立したトレンドになる可能性も十分考えられますので、同じ思いの自治体があればぜひお手伝いしたいと思います」

長い歴史を持つ伝統産業の多い京都に社員研修に行く会社が増えているという。生産性の向上やタイパを極限まで求められる中で、時間の流れがまったく異なる老舗や伝統産業に新たなビジネスのヒントがあるのではないかと注目が集まっているのだ。発想力は移動距離に比例するともいわれるので、社員研修の場を提供することで地域を活性化させるアプローチ法も必ずあると読む。

DIME連載陣や識者を巻き込んで地域おこし

「インバウンドでにぎわう京都を、もう1度日本人として見直そうと、コメンテーターの玉川徹さんの連載テーマを今年から京都に絞りました(記事はこちら)。玉川さん自身も大学時代を過ごした京都に興味があるという話を聞き、その中では観光で行っただけではわからない京都の深い部分を玉川さんといっしょに取材していきます。玉川さんに限らず、連載陣や識者の方とお話をすると皆さんの好奇心が、地方に向いていることがわかります。

東京などの都市部で働く人が、地方企業の仕事にオンラインのリモート副業という形でかかわる『地方副業』という働き方の特集も実施しました。こういった働き方が広がっていくと地方に興味を持つ人も増え、活性化につながるのではないかと思います。まだまだ我々も拾いきれてない情報がたくさんあるので、是非どんどんDIMEへも発信してきてほしいですね」

DIMEの地域おこしのチャレンジはまだスタートしたばかり。石﨑編集長は一つでも多くの自治体と組みながら、地方発のトレンド創出をしたいと力をこめる。

「“こんなことができない?”というご相談でも大歓迎です。気軽に連絡をいただきたいですね。お声かけいただければどこでも行きますので、興味のある自治体はぜひお声掛けをお願いします」

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取材・文/安藤政弘 撮影/五十嵐美弥(小学館写真室)