0歳〜12歳の子どもがいる子育て世代に寄り添う場所として、2018年10月に本格始動した、小学館の教育・育児メディア『HugKum(ハグクム)』。“子どもと一緒に楽しむ、学ぶ、成長する。”という言葉のもと、親子に向けて情報を発信しています。
「全国各地にユーザーが存在し、読者のボリュームゾーンは、年長〜小学校低学年のお子さんをもつ30〜40代の親御さんです。読者の多くは、子どもが興味のあることを見つけてあげたいというポジティブな“教育ママ&パパ”。あふれる子育て情報の中から、良質な情報を選ぶ感度がある方々です」と語るのは、村上奈穂編集長。
最新の育児・教育情報に関心が高い読者が多く、全国の学校や自治体での先進的な取り組みや、地方移住をドキュメンタリー形式で紹介する記事も人気といいます。今回は、コロナ禍を経て選択肢の一つになりつつある「子育て移住」について聞きました。
自身も、広島県の福山市鞆の浦という海辺の小さな町出身という村上編集長。幼い頃は、磯遊びや裏山の秘密基地遊び、下水道に入って探検隊ごっこなど、自然とともに育ったといいます。
「いま振り返ると、自分の子ども時代はなんと豊かな体験ができていたんだろうと思います。また、取材で地方のすばらしい保育所や学校に出会うと、都会で子育てをすることに罪悪感を感じることも、正直ありますね…。
自然豊かな地域で子育てをしたいというのは、親なら誰もが憧れることなのかもしれません。ただ一方で、子育てをしていると移住できるタイミングはかなり限られますし、仕事の都合もあります。思い切って飛び込むには、いくつもの条件が重ならなければいけません。 連載で取材させていただいた方々も、旅館の経営をしている方、焼き物アーティストや農家に転身された方など、今までの職業を捨てて新しく挑戦する方も多く、かなりの決心が必要でしょうから、みなさんに移住をおすすめしているというスタンスではないんです」
「ではなぜ移住の記事を発信するのかといえば、移住を実行したパワフルな姿を紹介することで、一歩を踏み出すことを迷っている方の参考になればと思うからです。優木まおみさんや安藤桃子さんなど、影響力が大きい有名人の移住が増えていることも特徴です。コロナ禍以降は、働ける場所で働く在宅やリモート、ワーケーションなどの選択肢が一気に出てきた気がします。だからこそ、参考になりうるリアルなストーリーを今後もたくさん紹介したいと思っています」
『HugKum』では「不登校の子どもの居場所づくり」というタグも設け、関連記事を一気に見られるようにもしています。
「いまや不登校の子どもは小中学生合わせて30万人以上とも言われます。特に、都会で窮屈な気持ちになっている子どもたちは少なくない。フリースクールに通う子どもも増えています。『HugKum』の記事がきっかけで、オルタナティブスクールや移住という選択肢が生まれたらとも思っています」
「夏休み向けに、いろんなサマースクールや短期移住のかたちも紹介しました。農村体験や田舎暮らし体験などのアクティビティも調べてみると豊富です。本格的にいく前に、試してみるのもいいと思いますし、子どもたちの体験としてもおすすめです」
こうした取材記事は、小学館のOB・OGや監修者からの情報をはじめ、関わる編集スタッフのリサーチが命。村上編集長は1ヶ月ごとに力を入れるテーマを決め、年間でスタッフに提示。書店や講演会、ニュースなど、あらゆるところに目を光らせて、唯一無二の記事作りに役立てているそうです。
移住や地方創生をテーマに、今後挑戦していきたい企画について聞いてみました。
「夏休みなどの長期休暇にその地域に行っていただける読者を募り、レポートを記事化するなど、地方自治体と組んで”HugKumパッケージ”を作成していきたいと思っています。”編集長がGO”という、私自身がその地域に行ってワーケーションなどを試してみるという企画など、リアルな体験レポートで地方の魅力発信をすることに興味があります。これからも具体的な移住の事例紹介を始め、日本全国の学校や自治体の取り組みなどの動きも追って、多くの記事をお届けしたいと考えています」
育児世代、ファミリー層に向けた情報を発信し続ける『HugKum』。読み応えのある記事で、広く“親子へ届ける”ことができるのも強みです。どうぞご注目ください。
取材・文/ニイミユカ 撮影/田中麻以(小学館写真室)